藤野先生

仙台は中国近代化の父といわれる魯迅のゆかりの地である。

その魯迅が大成した一つの要因に、仙台医学校での解剖学教授・藤野厳九郎先生との出会いがある。

藤野先生は、外国人留学生である魯迅のために、在学中ずうっと彼のノートを添削していた。

『私は今でもよく彼のことを思い出す。私が師と仰いだ人の中で、彼はもっとも私を感動させ、私に激励を与えてくれた一人である。…彼が私に対して熱心に希望をかけ、たゆまず教えさとしてくれたのは、小さくは中国のため、つまり中国に新しい医学が生まれるのを希望してのことであり、大きくは、学問のため、つまり新しい医学が中国に伝わるのを希望してのことなのだ。』

魯迅の「藤野先生」を読む度に、私は目頭が熱くなるのを禁じ得ない。

私のところにもこれまでたくさんの留学生が来た。しかし、この藤野先生のように、全身・全霊お世話をしてあげられたかというと、はなはだこころもとない。これからの留学生には、もっともっと親切にしてあげたいと思う。
(PC版「随筆その6藤野先生」より抜粋)

戻る



©2004- 棚橋よしかつ+泌尿器科